別荘を売却する方必見!2026年からの所有不動産記録証明制度と住所変更登記の義務化

この記事では、2026年に開始された不動産関連の新制度である「所有不動産記録証明制度」と「住所・氏名変更登記の義務化」について、背景となる相続登記や所有者不明土地問題も含めてわかりやすく解説します。

別荘や土地などの不動産を所有している方や相続予定がある方はもちろん、引越しや結婚・離婚を経験した方にも関係する内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

別荘相続時に行う相続登記とは?

2026年の制度改正を理解するためには、まず「相続登記」の基本を知っておくことが大切です。

  • 相続登記とは : 不動産の名義変更手続き
  • 義務化の背景 : 所有者不明土地の増加
  • 期限と罰則 : 放置によるリスク

相続登記とは

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際にその名義を相続人へ変更する手続きです。登記を行わないままだと法律上の所有者は亡くなった人のままとなり、不動産の売却や活用ができなくなる可能性があります。

また、相続人が複数いる場合に権利関係が複雑化し、将来の手続きが著しく困難になることもあります。以前は任意の手続きでしたが、2024年4月1日からは法律上の義務になっています。

義務化の背景

相続登記が長年にわたって放置されてきた結果、所有者が分からない土地が全国で増加しました。これが公共事業や災害復旧工事の妨げとなり、地域の荒廃や隣接地への悪影響にもつながる社会問題となっていたため、制度の抜本的な見直しが行われました。

相続登記の義務化は、この問題を解決するための重要な取り組みの一つです。

期限と罰則

相続登記は不動産の取得を知った日から3年以内に行う必要があります。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

2024年4月1日よりも前に発生した過去の相続分も対象となっており、その場合は2027年3月31日までに登記を完了させる必要があります。まだ手続きをしていない不動産がある場合は、早めに動くことをおすすめします。放置すればするほど相続人が増えて権利関係が複雑になり、手続きがより難しくなるので注意しましょう。

所有者不明土地とは?制度改正の背景にある問題

今回の制度改正の根本には、「所有者不明土地」という深刻な問題があります。

所有者不明土地とは

「所有者不明土地」とは、登記簿などで調べても持ち主がわからない、または持ち主はわかっていても連絡が取れない土地のことです。全国で増加しており、特に地方で深刻化しています。

令和6年の国土交通省の調査では、所有者不明土地の割合が全国で23%、その面積は九州の面積よりも広いという結果が出ています。この問題は今後高齢化が進んで亡くなる人が増えることで、この問題はさらに大きくなることが懸念されています。

所有者不明土地が増加する理由

所有者不明土地が発生する主な原因は相続登記と住所変更登記の未対応、つまり相続登記をしないままにしていること、または引っ越しや結婚・離婚があっても住所や氏名の変更を登記に反映させていないことです。

相続人が多い場合や手続きが煩雑な場合、また不動産の価値が低い場合には放置されやすくなります。令和6年の国土交通省の調査によると、所有者不明土地が発生する原因は、「土地の相続の際に登記の名義変更が行われないこと」が63%、「所有者が転居したときに住所変更の登記が行われないこと」が29%を占めています。

所有者不明土地の問題点

所有者不明土地の問題点として、たとえば道路整備や災害の復旧工事を進めようとしても地権者と連絡が取れないために工事が長期間止まってしまうことがあります。

また、土地が管理されないことで雑草が生い茂ったり、不法投棄が起きたりして周りの土地や住民の生活環境にも悪影響が出ます。

こうした問題は私たちの日常生活にも直接関係するため、社会全体で解決していく必要がある課題です。

所有不動産記録証明制度(2026年2月2日~)

所有不動産記録証明制度は2026年2月2日開始の新制度で、相続や不動産管理を効率化するために導入される新しい仕組みです。

所有不動産記録証明制度の概要

この制度では、個人または法人が全国に所有する不動産を一覧にまとめた「所有不動産記録証明書」を取得できるようになりました。

これまでは不動産を調べるときに、地番や住所をもとに1件ずつ調べるしかなく、複数の市区町村に土地を持っている場合は把握するのが非常に困難でした。新制度では登記に記載された名前と住所をもとに、全国にある不動産をまとめて確認できます。

所有不動産記録証明制度を利用できる人

この制度を使えるのは、不動産の持ち主本人か相続人、そして司法書士などの代理人に限られています。プライバシーを守るため、関係のない第三者が他人の不動産情報を調べることはできません。

申請は法務局で行うことができ、オンラインでの手続きにも対応しています。相続人であれば、他の相続人の同意がなくても1人で申請できるので使いやすい制度です。そのため遠方に住んでいる場合でも、オンライン申請を活用すれば手続きしやすくなっています。

所有不動産記録証明制度のメリット

相続が起きたとき、「亡くなった人がどこに不動産を持っていたかわからない」という問題がよくあります。これまでは「名寄帳」という市区町村ごとの一覧を各自治体に取り寄せるしかなく、遠方の土地を見落としてしまうリスクがありました。

所有不動産記録証明制度なら、全国の不動産を一度にまとめて確認できるため、こういった漏れを防ぎやすくなります。複数の不動産を持っている人でも、管理状況をスムーズに確認できます。また、生前に自分の資産を整理しておきたいときにも役立てることができます。

所有不動産記録証明制度の注意点

この制度には重要な注意点があり、証明書は登記に記載された「名前と住所」をもとに検索されるため、引っ越しをしたのに変更登記をしていない場合や、旧姓のままになっている場合、名前の漢字の書き方(字体)が登記と異なる場合には、一覧に出てこない不動産が生じる可能性があります。

そのため、旧住所や旧姓でも別に申請してみるなど、いくつかの条件で確認することが大切です。

住所・氏名変更登記の義務化(2026年4月1日~)

不動産所有者に対する新たな義務として、2026年4月1日から住所や氏名の変更登記が義務化されました。以下では「住所・氏名変更登記の義務化」について説明します。

住所・氏名変更登記の義務化について

2026年4月1日から、不動産を所有している人は住所や氏名(法人の場合は住所や名称)が変わったときは変更日から2年以内に変更登記をしなければなりません。これにより、登記情報が常に正確な状態に保たれ、所有者不明土地の発生を防ぐことが期待されています。

また、結婚や離婚で名前が変わった場合も同じく変更登記の対象となります。

過去の変更も対象

義務化の対象は、2026年4月1日よりも前に住所や氏名が変わったにもかかわらず登記を放置していた場合も対象になります。義務化前の変更については2028年3月31日までに対応する必要があります。

まずは自分の不動産の登記情報を法務局で確認し、最新の住所・氏名と一致しているかどうかを確かめることをお勧めします。なお、住所変更登記をする場合、登記簿上の住所から最新の住所までの住所移転の経緯を証明する必要があります。過去に複数回引越しをしていて住民票の写しでは証明できない場合、戸籍の附票の写しなどの提出が求められます。

変更登記の罰則

正当な理由なく変更登記を怠ると、5万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、変更から2年が過ぎたからといってすぐに罰則を受けるわけではありません。

法務局から催告書が届き、それでも正当な理由なく対応しない場合に初めて過料の対象になります。引っ越しや結婚・離婚のたびに義務が発生するので、忘れずに対応することが大切です。

スマート変更登記

新制度として「スマート変更登記」の仕組みも導入されました。

これは、あらかじめ法務局に「検索用情報(名前とふりがな・生年月日・住所・メールアドレス)」を登録しておくだけで、法務局が住民基本台帳ネットワークと自動で情報を照合し、住所や氏名の変更を確認したうえで、登記官が代わりに変更登記をしてくれます。

この仕組みにより、自分で手続きをする手間を省けます。

隣地使用等の見直しと所有者不明土地対策(2023年4月1日~)

所有者不明土地問題に対応するため、以下の隣地に関する制度も2023年4月1日より見直されています。

  • 越境枝の対応
  • ライフライン設置
  • 土地利用の柔軟化

越境枝の対応

これまでは、隣地から自分の土地にはみだしてきた木の枝を無断で切ることはできず、隣地の所有者に対応を求めるしかありませんでした。しかし民法の改正により、隣地の所有者が不明な場合や、催告しても対応してもらえない場合など一定の条件を満たす場合には、自ら枝を切除できるようになりました。

これにより、所有者不明土地によるトラブルが以前より解決しやすくなっています。

ライフライン設置

水道・ガス・電気などのライフライン設備を設置するために他人の土地を通過させる権利が法律で明確に定められました。これにより、隣の土地などを通ってライフラインを引き込む必要がある場合の権利が明確になりました。

土地利用の柔軟化

持ち主不明の土地であっても、裁判所に申立てをすることで、一定の条件のもとで使えるようにする「所有者不明土地管理制度」や「管理不全土地管理制度」という仕組みが整いました。

これにより、所有者との連絡が取れない土地についても、地域の利便性向上や公共的な利用を目的とした活用が可能となっています。

相続土地国庫帰属制度(2023年4月27日~)

「相続した土地を使わないけど、どうしたらいいかわからない」という方のための制度も整備されています。

相続土地国庫帰属制度の概要

「相続土地国庫帰属制度」は、相続などで引き継いだものの必要のない土地を国に引き渡せる仕組みです。2023年4月27日から開始されており、管理費や固定資産税の負担から解放されたい方にとって、有効な選択肢のひとつです。

ただし誰でも利用できるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。所有不動産記録証明制度で亡くなった方の不動産を把握した後、不要な土地を相続土地国庫帰属制度で引き取ってもらうといった使い方ができるでしょう。

相続土地国庫帰属制度の利用条件

建物が建っている土地や、住宅ローンなどの担保に入っている土地は、相続土地国庫帰属制度の対象外です。また、境界がはっきりしていない土地や、土壌汚染がある土地、危険な崖がある土地なども申請できません。

共有している土地の場合は、共有者全員の同意が必要です。条件を満たしていない場合、たとえば、建物が建っている土地を引き取ってもらいたい場合、建物を壊して更地にするなどの対応が必要になることもあります。申請前に法務局や専門家に相談して条件を確認することをおすすめします。

手数料と負担金について

申請するには、法務局への審査手数料と、審査が通った後に払う負担金(10年分の土地管理費相当額)が必要です。費用がかかるのはデメリットですが、今後ずっと管理コストを払い続けるリスクや、相続トラブルになるリスクと比べて、どちらがいいかを考えて判断してみましょう。

まとめ

今回は最近の不動産関連の法改正についてご紹介しました。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、2026年2月2日から全国の不動産を一度にまとめて確認できる所有不動産記録証明制度がスタートしました。

2026年4月1日からは住所・氏名の変更登記も義務化され、スマート変更登記もスタートという流れになっています。不動産登記は任意から義務へと大きくシフトしたと言えるでしょう。

別荘売却ナビでは、所有されている別荘や土地の売却をお手伝いしています。「相続したけれど使っていない」「管理や税金の負担を重く感じる」という方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

株式会社ミライエ

任意売却を中心に3,000件以上の実績
不動産競売流通協会 第1位
テレビ出演経験あり(ビートたけしのTVタックル出演)

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