別荘のリフォーム・リノベーションにかかる費用はいくら?予算別施工例を紹介

築年数が経過した別荘は、建物の老朽化が進みます。別荘のリフォームやリノベーションを検討しているものの、「どれくらいの費用がかかるのだろう」と費用を心配される方も多いのではないでしょうか。

この記事では、別荘のリフォーム・リノベーション費用について、具体的な事例を交えながら解説します。別荘のリフォーム・リノベーションに興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

別荘をリフォーム・リノベーションするメリット

別荘をリフォーム・リノベーションする最大のメリットは、自分の理想の空間に近づけられることです。リフォーム・リノベーションは単なる「修復」ではなく、新しい価値を創る機会でもあります。

必要なところだけを施工できる

別荘のリフォーム・リノベーションでは、外壁の塗装や水回りの改修など、必要な部分に限定して施工することが可能です。建物全体の改築をしなくても劣化が著しい部分を重点的に直すことで、快適な別荘に生まれ変わらせることができます。

たとえば、外壁が色あせていたり、ひび割れが目立っていたりする場合、塗装や補修を行うだけで建物の外観を美しく蘇らせることができます。また、浴室やキッチンといった水回り設備は日常的に使用するため、古くなると機能性が低下したり、清潔感が損なわれたりしがちです。

これらの部分を改修することで、快適な水まわり空間を実現し、生活の質を向上させることができます。

費用を安く抑えられる

別荘のリフォーム・リノベーションを行う際、費用を安く抑えられることもメリットです。新築で建て替える場合よりも、コストの削減が可能です。

また、予算に応じて施工範囲を調整することができるため、優先順位の高い箇所から進めていくこともできます。

たとえば、水回りの設備更新や外壁のメンテナンスなど、必要性が高い部分から手をつけ、将来的にはほかの箇所も徐々にリフォーム・リノベーションすることで、長期間を見越した計画的な改修を行えます。

別荘をリフォーム・リノベーションする前のチェックポイント

別荘と一般の住宅のリフォーム・リノベーションは異なる点があるため、慎重に行う必要があります。事前に確認しておきたいチェックポイントとして、以下が挙げられます。

必要な許可や規制

別荘が位置する地域には、景観条例や建築基準法に基づく制限があることがあります。

特に、別荘地では地域ごとに厳しい規制が設けられている場合があるため、事前にリフォーム・リノベーションが可能かどうかを確認する必要があります。

また、古民家を改修する際には、文化財保護に関連する規制も考慮しなければなりません。

構造的な安定性と安全性

リフォーム・リノベーション前には、建物の構造が充分に安定しているか、専門家による調査を依頼しましょう。特に、築年数が経過した物件では地震や風雨に耐えられるかどうかを見極める必要があります。

耐震補強が必要な場合も多いため、診断を受けたうえでリフォーム・リノベーションを進めることが賢明です。

断熱性能の確認

別荘は山間部や海辺など、四季の寒暖差が激しい場所に建てられていることが多いため、快適に過ごすためには断熱性能が重要です。

断熱性が不十分だと、夏は暑く、冬は寒いといった問題が発生します。断熱材や窓の性能についても事前に確認し、必要なリフォーム・リノベーションを計画に組み込むべきです。

別荘をリフォーム(リノベーション)する際の箇所別費用

別荘は、以下のような箇所をリフォーム(リノベーション)することが多いです。

  • 水回り
  • 内装
  • 断熱・耐震

リフォーム(リノベーション)する箇所に応じて、その費用は異なります。

それぞれの箇所の費用の目安について見ていきましょう。

水回りにかかる費用

水回りは、別荘での快適な暮らしを実現するために欠かせない要素です。以下は、水回りに関する費用相場の例です。

リフォーム箇所費用相場
キッチン50~300万円
浴室50~150万円
トイレ10~100万円
洗面所5~100万円

特にキッチンや浴室、トイレの改修は、機能性とデザインを両立させることで別荘の価値を高めることができます。

内装にかかる費用

別荘のデザインや雰囲気を一新したい場合は、内装のリフォームを検討されると良いでしょう。内装にかかる費用相場の例は、以下の通りです。

リフォーム内容費用相場
床のリフォーム(6畳)20~35万円
壁のリフォーム(6畳)10~20万円
ドアの設置6~22万円
窓の交換5~15万円

床や壁は工法や面積によってコストが大きく変わるので、注意が必要です。

断熱・耐震工事にかかる費用

快適で安全な別荘を実現するためには、断熱性能や耐震性も重要な要素となります。断熱や耐震工事にかかる費用相場の例は、以下の通りです。

リフォーム内容費用相場の例
天井の断熱工事15~90万円
屋根の断熱工事40~250万円
壁の断熱工事50~150万円
床の断熱工事20~100万円
窓の断熱工事5~60万円/1箇所
耐震工事100~450万円

耐震に関する改修は、建物全体に工事が及ぶことになるため高額になりがちです。特に、基礎から見直すような大規模な改修になれば、その費用はさらに高額になります。

しかし、山間部や海沿いなどの自然環境に影響を受けやすい場所に建てられた別荘の場合、断熱性能の不足による寒さや暑さ、そして地震に対する不安は、快適な別荘ライフを大きく阻む要因となります。

これらの問題を解決するためには、断熱や耐震の強化が不可欠です。初期費用は高額になるかもしれませんが、長期的に見れば快適な住環境の確保や建物の寿命を延ばすことにつながります。

その他の設備にかかる費用

別荘のリフォーム(リノベーション)では、内装や断熱工事だけでなく、外部の設備や付帯設備にもこだわることが多くなります。

特に、自然豊かな環境に位置する別荘では、屋外での快適な時間を過ごすための設備が重要です。以下からは、別荘ならではの代表的な設備と費用の目安を紹介します。

ウッドデッキ設置費用

別荘で人気の設備の一つが、ウッドデッキです。室内と屋外をつなぎ、自然を身近に感じられる別荘ならではの贅沢な空間といえるでしょう。

費用は素材や広さ、設置場所によって幅がありますが、30~80万円が相場です。

耐久性の高いハードウッドやメンテナンスが容易な合成木材を選ぶことで、長期的に使えるデッキを設置できます。

薪ストーブ設置費用

別荘に薪ストーブを設置する方も少なくありません。薪ストーブは冬の寒さが厳しい別荘において、暖房器具としてだけでなく、インテリアとしても魅力的です。

薪ストーブの設置費用は、110~150万円程度が相場です。設置には本体価格だけでなく、煙突工事や耐火対策が必要となるため、費用はやや高額になります。

しかし、そのぶん高いデザイン性と暖炉のある暮らしならではの特別な体験を提供してくれます。

外壁塗装費用

外壁塗装は、別荘の美観を保つために必要なメンテナンスです。塗料の種類や施工範囲によって費用が変動しますが、70~120万円程度が相場です。

耐久性の高いシリコン塗料やフッ素塗料を選ぶことで、長期にわたって塗装を保つことができます。特に、海辺や山間部などでは塩害や湿気の影響を受けやすいため、定期的な塗装が必要となることも考えられます。

外壁塗装を行うことで、建物の耐久性を維持し、将来的なメンテナンスコストを抑えることにつながるでしょう。

別荘のリフォーム・リノベーションで補助金は活用できる?

リフォーム・リノベーションを行う際、居住用の住宅であれば補助金や税制優遇を受けられる可能性がありますが、別荘に関しては事情が異なります。

別荘のリフォーム・リノベーションで補助金が適用されない理由

別荘は、保養目的で一時的に使われる住居として分類されるため、居住用財産とは異なる扱いを受けます。

一般的に住宅は、私たちが生活するうえで欠かせない財産として認識され、補助金や税制優遇制度の対象となっています。一方で、別荘は保養やレジャー目的で使用されることが多く、「贅沢品」とみなされるため、補助金や税制優遇措置(固定資産税・都市計画税)を受けられません

※ただし、例外的に別荘がセカンドハウスとして認められた場合、補助金や税制優遇を受けることができるケースもあります。

予算別・別荘リフォーム(リノベーション)の施工事例

別荘のリフォーム・リノベーションには、予算に応じてさまざまな方法があります。予算別に可能なリフォーム・リノベーションの例について見ていきましょう。

100万円でできる別荘リフォーム・リノベーション

100万円以下のリフォーム・リノベーションでは、主に小規模な改修や部分的な修繕が中心です。たとえば、以下のように古くなった外壁の塗装や簡単な内装の施工ができます。

  • 外壁の部分的な塗装
  • トイレや洗面所の簡易改修
  • 小規模なフローリングの張り替え

こうしたリフォーム・リノベーションは、大規模な改修を行わずに見栄えや快適性を向上させることができるため、予算が限られている場合でも効果的です。

500万円でできる別荘リフォーム・リノベーション

500万円の予算があれば、大規模なリフォーム・リノベーションを行うことができます。以下のように、水回りや内装のリノベーションなど、生活の質を向上させるための工事が可能です。

  • キッチンや浴室のリノベーション
  • 断熱工事の一部実施
  • 広範囲のフローリングや壁紙の張り替え

特に、水回りの設備を新しくすることで、日常生活の快適さが大幅に向上します。断熱工事も部分的に行うことで、夏や冬の居住性が改善されます。

1,000万円でできる別荘リフォーム・リノベーション

1,000万円の予算があれば、別荘全体にわたる大規模なリフォーム・リノベーションが可能です。具体的な施工例は、以下の通りです。

  • 外壁の全面改修
  • 耐震補強と断熱工事の全体実施
  • 高品質なキッチンや浴室の導入

このクラスの予算であれば、建物全体の改修を行い、完全に新しい空間に生まれ変わらせることができます。

気になる箇所は早めにリフォーム・リノベーション!

別荘のリフォーム・リノベーションは、気になる箇所を見つけたら早めに対処することが肝心です。建物が古くなると、劣化が進みやすく、放置すると高額な修繕費用がかかってしまいます。

計画的なリフォーム・リノベーションを行うことで、別荘の価値を維持しながら快適な空間で過ごすことができるでしょう。

費用を抑えるためには、必要な部分から優先的に手を加え、長期的な視野で計画を立てることが重要です。リフォーム・リノベーションによって、別荘の価値をさらに高め、より充実した時間を過ごしましょう。

この記事の監修者

株式会社ミライエ

任意売却を中心に3,000件以上の実績
不動産競売流通協会 第1位
テレビ出演経験あり(ビートたけしのTVタックル出演)

SNSで記事をシェアする
この記事が参考になったらみんなにシェア